〜5〜
アキラが脱出の方法を一生懸命考えていると、
突然、誰かが玄関をノックしました。
オオカミは返事をしませんでしたが、
訪問者はあきらめずに窓に回って来るようです。
助けが来たのかも知れないと、
アキラは窓に目をこらしました。
すると中を覗き込んでいる誰かと、
ガラス越しにしっかり視線が合ったのです。
こんな緊迫した場面だというのに、
その眼差しにキュンと胸がときめいて、
アキラは自分のあられもない姿が
急に恥ずかしくなってしまいました。

窓の向こうの誰かはふっと姿を消したように見えましたが、
実際は、体を豆粒のように小さくしただけでした。
そして窓の木枠の隙間から中に入ってくると、
また元の大きさに戻りました。