
「進藤」
「なに?」
「自分で背中を留めるのは無理だ」
「じゃあ、寮の誰かに頼みに行けよ」
「・・・わかった」
ボタンの外れたワンピースに網タイツ姿でアキラが部屋を出ようとすると、
ヒカルは慌てて引き止めた。
「バ〜カ。そんななりで外をふらついたら、オマエ、あっと言う間に襲われるぞ。
こんな色っぽい格好してるときは、オレ以外に姿を見せるのは禁止」
「だってキミが言ったんだよ、誰かに頼みに行けって・・・」
「あ〜あ、口答えする気かよ〜。絶対服従、だったよな?」
「あ、・・・・・・」
「今度逆らったら、もうゲームはおしまいだぜ」
「・・・わかった」
「それじゃ、オレに頼んでみろよ。ボタンを留めてくださいって」
「うん。背中を頼む」
「なんか色気ないな〜。でもオマエらしいから、まあいいや」
ヒカルは正面からアキラを抱き寄せると、背中に手を回してボタンを留めてやった。
ヒカルにこんな風に触れられるのは初めてで、
アキラは胸を高鳴らせながらうっとりと身を預けていた。
やがてヒカルは膝をついて、ワンピースの脇の紐を引っ張ると、
丁寧に蝶結びを作った。
「紐の締め具合はどう?」
「ちょっときつい。これじゃ裾が開かないから歩けないよ」
「これはそういう服なんだから、いいんだよ。
オマエを移動させたいときは、オレが抱き上げて連れて行ってやるから」
アキラは自分もひざまずくと、ヒカルの瞳を覗き込んだ。

「・・・キミがこの服を選んだのは、ボクがキミに拘束されていることを、形で表すためなんだろ?」
「う〜〜んと、たぶんな。
オレがこれから見せるものを全部つけてくれたら、口に出さなくてもオマエの気持ちがわかるっていうか」
「それじゃ、次は何をすればいい?」
ヒカルは黒い革で出来た輪っかを取り出した。
金色の鍵がぶら下がっていて、キラキラ光っている。
「これは・・・?」
「首輪。ほら、穴が幾つもあいてるから、長さを調節することができるんだ。
ゆるくすればアクセサリーと変わらないけど、呼吸が苦しくなるほどきつくすることも出来るんだぜ」
アキラは黙って受け取ると首にはめて、ベルトを留めるようにとヒカルを促した。
ヒカルがわざと一瞬、強目に引っ張ると、首輪が喉にぴたっと張り付き、アキラの睫毛が震えた。
それでも抵抗されなかったのにヒカルは満足すると、すぐに輪をゆるめてベルトを固定し始めるのだった。
