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12月に入ったある日、オレたちは塔矢の家でいつものように碁を打っていた。

相変わらず一人暮らし同然の大きな家に二人きり。

オレはいつの間にかアイツを見ると胸が苦しくなって、
体が熱く反応するようになっていたから、
こういう状況は正直言ってつらかった。

思い切って気持ちを告白するか、少しずつ会う回数を減らしていくかしないと、
いつか力尽くで欲しいものを奪ってしまいそうで、
・・・そしてすべてをなくしてしまいそうで、こわかった。

そんなオレの気持ちも知らずに、塔矢は検討が一通り終わったところで、
「あ、そういえば」なんてのんびりと言いながら引き出しを探って、一枚の紙切れを取り出してきた。





「これ、芦原さんからもらったんだ。
ここに大切な人と二人で泊まると、その人とずっと一緒にいられるようになるそうだよ。
ボクは一生キミと碁を打っていきたいから、ぜひキミを誘いたいと思ったんだけど、
・・・どうかな?」

「・・・え?そりゃぁ、オレだってオマエといつまでも打ちたいと思ってはいるけど・・・」

「じゃあ、決まりだな。二人でここに泊まりに行こう!」

「あ、あぁ・・・・・・。でもこれ、初めての何って書いてあるんだ?」

「え?これはチギリと読むんだ。約束という意味だよ」

「ふ〜〜ん」



こうしてオレたちは、山奥にあるというお初温泉に二人きりで泊まることとなったのだった。




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