けもの
18禁
「抱きたい」と真剣な顔で請われて、
初めて体を許した昼下がり。
「いいよ」とうなずいたその瞬間、
彼は体をぶつけるようにして
僕を抱き締めたのだった。
腰に擦りつけられた部分は既に固く、
首筋に何度も押し当てられる唇から洩れてくるのは、
獲物を手に入れ歓喜する、
獣のような唸り声。
たじろぐ僕の抵抗などやすやすと封じて、
ボタンを外す手間すら惜しむと、
進藤の手がシャツを力任せに引き裂いた。
乱暴に転がされ、
舐め回され囓られて、
反射的に身を守ろうとした指に、
鋭い歯が当たって血が滲み出す。
いつの間にかズボンも下着も剥ぎ取られて、
開かれ、抱え上げられた足の先で、
脱げかけた靴下がひらひらと揺れている。
自分の格好が余りに無様で、
余りに滑稽過ぎて、
僕は思わず笑い出していたらしい。
彼は僕の顔をまじまじと見つめると、
「余裕じゃん」と掠れた声で呟いた。
ギラリと光った眼はすぐに細められ、
舌なめずりした進藤の喉が、
大きく上下してゴクリと鳴った。
身がすくみ、手足の先が冷たくなる一方で、
腰には熱が集まり昂ぶっていく。
僕のものが形を変え、カーブを描き勃ち上がるのを、
彼はじっと見ていた。
間合いを計る緊迫した空気に包まれ、
貪欲な視線にさらされて、
ますます興奮を募らせた僕の体は
丁度食べ頃を迎えたらしい。
いきなり体重をかけられ、
何かを後ろに塗られて、
「待った」をかける間もなく貫かれていた。
ハァッ、ハァァッと息を荒げ、
ボトボトと汗を滴らせながら、
進藤は僕を、
大きく、激しく、容赦なく支配した。
無理矢理広げられ、
太いものをねじ込まれて、
入口が裂けてズキズキ痛む。
狭い場所に逆向きに押し入られて、
襞が引き攣れ、
血の匂いがたちこめる。
進藤が動く度に内蔵が突き上げられて、
吐き気をこらえながら、
僕は何かを叫んだ。
…このまま壊れてしまうのか。
彼に抱かれるということは、
こういうこと、だったのか。
進藤が呻き声を上げ、
迸った熱が溜め息と共にばらまかれて、
そのすべてを
僕は受け止めていた。
気が付くと、
進藤は胸にしがみついていた。
母親から引き剥がされまいと警戒する
幼い子のように。
体は軋み、熱っぽくだるかったけれど、
安心させたくて髪を撫でてやる。
それからゆっくりしたリズムで背中を叩いていると、
やがて進藤は身を起こして、
ことのほかやさしく僕を抱いた。
肌に押し当てられる唇は温かく柔らかく、
きっと痣になった場所を
舌がいたわるように湿らせて行く。
「ごめん」と呟かれて抗議しようとしたけど、
僕が出せたのは掠れた喘ぎ声だけで。
口移しで与えられた水を飲み干すと、
そのまま落ちるように眠り込んでいた。
夢の中で
僕は全身を愛撫される。
肌をすべる髪にくすぐられ、敏感な場所を舌で嬲られ、
余りの気持ちよさに溺れて
目から口から絶え間なく溢れ出すものがある。
「すっげえ!もうこんなに…」
そんなにしたのは君だろ?
「責任を取れ」
僕は口に出していたらしい。
「いいんだな?」
ヤケに明るい返事を聞いて、
一気に意識が覚醒したのを心底後悔したけど、
もう制止するには遅すぎた。
大きな尻尾をパタパタ振って、
金色の獣が脚の間にうずくまる。
僕は確かに、そんな幻を見た気がするのだ。
* * * * *
アニメの『黒執事』、最終回にもろに影響受けてます(^^;